⑧『羅生門』 言語文化×英語 教科横断型授業(国語科51期1年次)
51期1年生を対象に、『羅生門』を題材とした国語と英語の教科横断型授業を実施しました。
学習課題は「老婆の論理を聞いた後に下人が発した『きっと、そうか』の英訳をグループで考える」というものです。この文は、「『か』という助詞をどの用法で解釈するのか」「誰に向けた発言なのか」という点で解釈が揺れるため、多様な解釈をすることができる一文です。
目標
英訳を通して小説を解釈し、語感を磨くことでものの見方・感じ方・考え方を深める。
授業の流れ
①下人の心情整理(個人)
➁共有(グループ)
③英訳作成(グループ)
④スプレッドシートに入力(グループ)
⑤共有(全体)
⑥ベストアンサー選択(個人)
⑦英訳の紹介(全体)
⑧Googleフォームで振り返り(個人)
授業の内容
下人の心情と発言の意図を各自で整理した後、最も効果的に表現できる英訳をグループで考え、Googleスプレッドシートを用いてクラス全体で各グループが作成した英訳を共有しました。
【生徒の英訳一覧】
全体共有が終了後、翻訳者と英語教諭が作成した英訳を計9個生徒に紹介しました。
【翻訳者・英語科教諭による英訳一覧】(写真が表示されない場合はページを更新してください)〔円になった矢印をクリックする〕
生徒は「自分たちが作成した英訳」と「英語に精通した方々の英訳」を比較し、共通点と相違点をグループで話し合い感想を共有した後、学習の振り返りを行いました。
【翻訳者・英語科教諭による英訳に対する生徒の感想】
【参観いただいた先生方からのコメント】
ある生徒は振り返りで「今回グループで英訳するにあたって下人の心情について深く深く掘り下げながら意見の交換や疑問の共有を行うことができました。また他のグループや先生方の英訳を見て色々な表現方法があり自分の視野になかったことも発見する事ができてとても学びにもなりどんな表現があるのかワクワクして楽しみながら授業を進めることができました。自分だけでは考えが及ばないことでもグループワークを行うことで様々な意見交換ができ新たな疑問も生まれ知識の幅がどんどん広がっていくことを実感したので今後もグループワークを行う時には積極的に参加しようと思いました。とても楽しい時間でした。」と述べていました。
こうした授業を通じて、読解力や表現力を高めるだけでなく、他者との意見交換や異なる視点を受け入れることの重要性も学んだようですね。
振り返り等の詳細は以下のPDFをご覧ください。
市立札幌藻岩高等学校 對馬光揮
1.芥川龍之介『羅生門』教科横断型授業 [6126KB pdfファイル]