昨日は夏至、一年で一番日が長く、札幌の日の出は3時56分、日の入は19時18分でした。沖縄の那覇を調べてみると、日の出が5時39分、日の入が19時25分で、日の出の時刻がかなり違っており、経度と緯度の違いにより、1時間40分も違うことに、少しびっくりしたところです。札幌では、春分の日や秋分の日あたりの日の出が5時半くらいなので、夏至でも沖縄はかなり日の出が遅いことがわかりました。

 もう4ヶ月ほど経ちましたが、今年2月、札幌は2度の大雪に見舞われ、地下鉄を除く公共交通機関が非常に混乱したことについて、皆様にはまだ記憶に新しいことと思います。この時、JRやバスが運休し、通勤や通学の足がなくなり、本校においても臨時休校になりました。

 地球温暖化の影響なのでしょうか、大きな災害が全国各地で頻発しています。毎年のように、「数十年に一度」と表現される大雨が発生しており、大きな被害をもたらしています。気象庁によると、数十年に一度の大雨になり、さらに雨が降り続くと予想される場合に、大雨特別警報が発令されます。

 気象庁のホームページを見ると、札幌市の場合、48時間の降水量が232ミリを超えると、また、3時間の降水量が89ミリを超えるなどの場合に、50年に一度という表現が使われ、大雨特別警報が発令されるそうです。これを見てもわかるように、この50年に一度という表現は、この規模の降水量があったあと、50年後にまたこのようなことが起こるというものではなく、降水量が一定の量を超えるとこの表現が使われることになります。特別警報の基準ができてまだ10年も経っていませんが、福岡県では、2017年から大雨特別警報が4年連続発令されており、数十年に一度ならず、毎年の様相を呈しています。

 先日、さっぽろ市民カレッジ*1を視察することがありました。ちょうど、北海道の気象についての講座で、「雪」についての話が非常に興味深いものでした。雪が降るパターンには代表的には低気圧型と季節風型の2つがあり、低気圧型は、低気圧が北海道へ接近、通過する際に降雪をもたらし、季節風型は、日本の西に高気圧、東に低気圧があり、等圧線が南北に走るときに降雪があるとのことでした。

 2月21日(月)と22日(火)は低気圧型で大雪が降りました。このとき、低気圧は950ヘクトパスカルまで気圧が低下し、北海道付近の等圧線も非常に狭い間隔になっておりました。大雪をもたらしたときの天気図を改めて確認すると、北海道付近の等圧線は南北に走り、北西の風向きにより石狩湾から直接札幌に北風が流れこみ、猛烈な大雪となったと考えられております。

 さて、このさっぽろ市民カレッジは、一部の講座が学社融合講座*2として市立札幌大通高等学校を会場に開かれておりますが、一般の市民の方とともに、高校生も受講しております。今年度については、本校の生徒10数名が授業が終わったあと大通高校に駆け付け、17:50から1時間半、大学の先生や自治体の職員の方などの専門的な立場にある方々から、様々なことを学んでおります。私が視察した講座においても、説明だけではなく、実験も交えながらのお話でした。

 市立高校・中等教育学校8校では、学校間連携プログラム*3として、この学社融合講座だけではなく、いくつかのプログラム*4を用意し単位認定を行っており、本校におきましても、卒業に必要な単位数の一部として、学校外における学修として単位を認定しております。

 本校では、IBやSSHなどにおいて、生徒は主体的に様々なことにチャレンジしておりますが、この学校間連携プログラムにおいても、数多くの生徒が参加し存在感を示しています。

*1 まちづくりや産業の担い手の育成を進めるため、ボランティアや市民活動、まちづくり等を促進する「市民活動系」と、職業能力の向上や産業の育成・活性化を促進する「産業・ビジネス系」を柱に、「文化・共用系」を加えた学習プログラムを継続的かつ体系的に市民に提供する講座(札幌市教育振興基本計画後期アクションプランより)。

*2 学校教育と社会教育がそれぞれの役割分担を前提とした上で、そこから一歩進んで、学習の場や活動など両者の要素を部分的に重ね合わせながら、一体となって子どもたちの教育に取り組んでいこうという考え方(札幌市教育振興基本計画後期アクションプランより)。

*3 札幌市教育振興基本計画及び札幌市立高等学校改革方針の推進に向けて、学校間連携・授業連携の一貫として、「市立高校生が相互に交流し、その成果を単位認定できる仕組み」を整備・促進するため、札幌市立高等学校・特別支援学校長会が取組を進めている事業。

*4 令和4年度は、以下のプログラムを実施予定。①さっぽろ市民カレッジ(学社融合)、②グローバルリーダー育成キャンプ、③食農体験講座 アニマドーレ、④まちづくり講座 まなびまくり社、⑤市立大学看護学部連携事業、⑥起業家教育 スタートアップシティサッポロ

令和4年(2022年)6月22日
  校長  宮田 佳幸