体育大会から学校祭と続いた「Kaisei Week」が終わり、夏休みに入りました。今年のKaisei Weekは、全校生徒の前で、体育大会の開会式・閉会式、学校祭の開祭式・閉祭式と、4回も挨拶をすることになり、挨拶を考えるのも大変でした。同時に、学校祭のパンフレットの巻頭言、毎年この時期に発行しているPT会通信の原稿と、校長の仕事は物書きか?と思うほど、文章を考えた期間となりました。文才のない私は苦労の連続で、さらさらっと文章を考えている他校の校長先生をうらやましく思います。

NHKで「チコちゃんに叱られる!」という番組がありますが、もう何年も前に「校長先生の話はどうして長いのか?」という質問が出され、「ボーッと生きてんじゃねーよー」とならずに見事に正解になったのを覚えています。皆さんはお分かりになりますか? 番組では、教育評論家の尾木直樹さんが「校長先生の話が長い理由には『校長講話集』というネタ本があるから」と答えていました。全国の校長先生の約7割から8割が使っているのではないかともいわれています。

ネタ本があると、どうして校長先生の話が長くなるのか?

それは、ネタ本の内容に加えて、学校の実際の事例や自分の個人的に話したい内容を入れ込むために長くなっていると、番組の中で話されていました。

そういう私はというと、今のところネタ本を使わずに済んでいます(ネタ本自体を持っていませんが・・・)。本を読んでいるときに出会う言葉や文章、テレビを見ていて気に入ったフレーズなどをノートにメモしておきます。それらはすぐに使うことはなく、しばらく寝かせておき、時期を見て使います。

前回の「校長室の窓」では、道新に載った「勝利は過大に評価されている」を使わせていただきましたが、これはノートに切り貼りしていた新聞の記事を使いました。その後、調べてみると、今年の2月10日の記事だということがわかりました。割と最近のものですが、「校長先生の話はどうして長いのか?」は5年の月日を経て日の目を見たことになります。

せっかくの Kaisei Week ですから、いつもの人生訓のような話ではなく、校長の話も少し脱線してもいいのではないかと思い、今回の4つの挨拶はそれぞれテーマを決めて、体育大会の開会式は「話を短く」、閉会式は「甲子園の閉会式ふうに」、学校祭の開祭式は「私の学校祭の思い出」、閉祭式は「一体感」という、テーマだけでは何の話か分からない、それを聞いていた学校関係者だけしかわからないものですが、少なくとも今回の Kaisei Week での挨拶は生徒の皆さんに楽しんでもらえるように、生徒の皆さんの盛り上がりに少しは貢献したのでないかと思っています。

中心となって活躍した体育プロジェクトや生徒会執行部の生徒たちの活躍は素晴らしいものでした。特に学校祭については、生徒総会や臨時の生徒総会を経てその方向性が決まり、生徒会長を中心に一致団結して苦しい時期を乗り越えたことは、学校祭の閉祭式での生徒会長の言葉に現れておりましたが、成功裏に終わった学校祭では、どの生徒も輝きを放っておりました。

すでに夏休みに入っていますが、生徒は気持ちを切り替えて、次のことにチャレンジしています。コロナ明けの Kaisei Week でしたが、開成ならではのものになったと思います。生徒たちのパワーはすごかった。今後の Kaisei Week も新しいことをどんどん取り入れて進んでいくでしょう。

主役は生徒。そして、校長の話はなるべく短く。

 

令和5年(2023年)725

  校 長  宮 田 佳 幸