新型コロナウイルス感染症に関わる札幌市内の感染者数は依然として多い状況が続いており、5月31日までとしていた北海道における緊急事態宣言が6月20日まで延長されました。このような状況ではございますが、学びが止まることがないよう、本校におきましても、他の市立学校と同様に、札幌市における教育活動のガイドラインに沿って、感染防止対策を行い教育活動を進めているところです。

連日、新聞紙面には新型コロナウイルス関連の記事が掲載されておりますが、他の紙面に目を向けると、教育に関わる記事も多く掲載されており、今回はそれに関連する話をしたいと思います。

5月5日(水)の毎日新聞に、STEAM教育の第一人者である数学研究者でジャズピアニストの中島さち子さんの記事が掲載されておりました。STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術/リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、STEAM教育とは、ある課題に取り組むときにこれらを結びつけて答えを探ろうというものです。

記事では、農業×ロボット工学の例が書かれておりましたが、これに関連するかのように、5月26日(水)の朝のNHKニュースで、「農薬や化学肥料を使わないコメの栽培に役立てようと、田植え後に雑草の成長を抑えるロボットが開発された」というニュースが報道されました。ニュースによると、ロボットは幅1.2m、高さ20cmほどで、専用のスクリューで水中の泥を巻き上げて光をさえぎることで雑草の成長を抑え、GPS装備による位置情報を認識して動くほか、取り付けられたソーラーパネルで充電した電気を使って全自動で動くとのことでした。これは、生物とテクノロジーなどを組み合わせた農家の課題解決を図る取組でした。

さて、札幌市では、2014年度に10年計画として札幌市教育振興基本計画を制定し、現在、2019年度から始まった後期アクションプランに基づいて教育施策を実行しております。その施策の中に「課題探究的な学習に係るモデル研究の推進」があり、本校でその取組が進められております。この課題探究的な学習では、例えば、身近な課題を始め様々な社会の課題を自分事として捉え、主体的協働的にその課題解決に関わっていくこととしています。それは、一つの知識で解決するものではなく、先の例にもあるように、様々な知識を融合させてその課題解決を図っていくというものです。

折しも、今年度から前期課程(中学校段階)では、新しい学習指導要領による学習が、次年度には後期課程(高等学校段階)が学年進行により新たな学習指導要領による学習が始まり、主体的協働的で深い学びと同様に、教科横断的な学びが重要視されております。

現在、社会には解決すべき課題が山積しており、様々な知識を組み合わせて課題解決を図ることが求められております。学校は、未来を担う子供たちがその重要性を自覚し、この先、その役割を果たせるようファシリテイトしていくことが大切だと考えています。

4期生コズモサイエンスポスター発表 2020年

令和3年(2021年)5月31日

校 長  宮 田 佳 幸