北海道地学協働アワード2022準グランプリ受賞
地学協働とは、「幅広い地域住民等の参画を得て、地域全体で子どもたちの学びや成長を支えるとともに、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う様々な活動」を指します。
今回受賞したのは、2年次の総合的な探究の時間での学習活動(MSP)です。受賞を受けて、総合的な探究の時間を管轄している千葉建二先生にインタビューしました。
●総合的な探究の時間の中で、千葉先生が「やりがい」や「喜び」を感じる瞬間はいつですか?
何か漠然とした思いを抱えながらも、自分自身それが何なのかよく分からない生徒が、活動の中で「自分はこれがしたいんだ!」と気づくその瞬間に立ち会えた時にやりがいを感じます。「もやもや」が「あっ!」になった時の生徒の輝きを見ることができるのは、教員自身の喜びにもなります。
もちろん教科の学習でもこういった喜びは感じますが、総合的な探究の時間は入学から卒業までの時間経過の中で様々な人と出会い、「深く」「広く」学んでいく生徒と併走することができるので、そこも総合的な探究の時間のやりがいだと思います。
●地学協働を通して、生徒たちはどのような力を身に付けることができますか?
藻岩高校の総合的な探究の時間では、「地域」を「自分たちの住む場所」よりも広い意味合いで捉えています。藻岩高校がある南区をはじめとして、札幌市、北海道、日本、さらには世界の人々と関わり、様々な価値観に触れながらアクションを起こすことによって、「世界は自分たちの手で変えられる」ということを高校生のうちから実感することができます。そうした経験は、自分たちの可能性と力に気付くだけではなく、「地域への感謝」と「自分も地域の一員であるという自覚」を持つことにも繋がると思います。
●今後の展望はありますか?
ここで学んだ生徒たちが、広い意味で「地域の人材」として活躍していくことが楽しみです。そのために「学校」と「人」が繋がりを持ち続けながら、この学習活動をより広く波及させるにはどうすればいいか、ということを考えています。卒業生が藻岩高校に戻ってきて在校生に刺激を与えてくれたり、この経験を活かして社会で活躍してくれたりすれば、この総合的な探究の時間が本当の意味で充実したものになると思います。
〔生徒が取り組んだプロジェクトの様子〕
プラスチックごみの削減をテーマに札幌ドームで行われたイベントに参加したチーム
実際の結婚式でフラワーアレンジメントを行ったチーム
イベントの来場者とアートを制作するプログラムを企画・実行したチーム
廃棄されるはずだった規格外果物を材料に商品開発・販売を行ったチーム
本校の総合的な探究の時間の詳細については、以下のPDFやホームページの「探究活動」をご覧ください。
藻岩高校における総合探究の実践と背景(2022年度) [3213KB pdfファイル]
藻岩高校における総合探究の実践と背景(2019年度) [676KB pdfファイル]