野生生物 駆除 vs 保護

 

  目的

北海道沿岸の海洋生態系における上位者であるトドをテーマとする。トド飼育数日本一である

「おたる水族館」を会場に、飼育下のトドの観察とスタッフによる解説、酪農学園大学で鰭脚類

の研究を専門にされている郡山先生による解説や講義などを予定している。また、小樽市祝津の

漁師さんのお話などを伺いながら、トドによる漁業被害と野生動物の保護についても研修を深める。

 

 

  講師 酪農学園大学 獣医学群・獣医保健看護学類 教授 郡山 尚紀 先生

おたる水族館 飼育部次長            角川 雅俊 先生

 

  場所  おたる水族館(小樽市祝津3丁目303番地)

日時  2023 1月10日(火)※冬休み中  10:0014:40(予定)

  事前学習:Googleクラスルームに課題提出(1/6〆切)

  事後学習:Googleクラスルームを用いて課題とアンケートの提出

 

■講座当日の様子

はじめは、おたる水族館の獣医師・角川先生より「トドのトレーニングや知能」についてのレクチャーです。

動物のトレーニングには

「動物本来の行動・能力・習性を広く伝えること」「健康管理のための運動」「受診動作の維持」などの目的があるそうです。

「よく出来たら褒める」

しかし「できなかったからといって罰する」のはダメ。アメとムチの「ムチ」はデメリットが大きい。などなど、飼育やトレーニングをされているからこその話を聞かせていただきました。

その後、海獣公園に向かい実際にトドを見学しました。

 

この日は大雪。

移動が大変でした。

エサのホッケです

迫力のある給餌でした!

はく製をつかって、体の特徴を説明してくださいました。

 

また、特別に触らせてもらい、毛の手触り・爪・耳などを確認しました。

 

注意:本来は展示物に触ることはできません。

天気が悪く、早めに館内にもどりました。

続いては、

 

酪農学園大学・獣医学群の郡山先生に

「トドの解剖学的特徴について」

という内容で講義をして頂きました。

昼食休憩

 

 

館内展示やペンギンの雪中散歩を見る時間もありました。

 

おや?

このペンギン達の様子は、さっき海獣公園に向かう君たちとそっくり(笑)

 

 

午後は「トドの生態」「トドの漁業問題」

 

越冬のためにロシアからやってくること、

群れにはいくつかの種類があること、

好奇心が旺盛なこと、

などなど・・・。

大きな漁業被害がでる年もあれば、そうでない年もある。

 

「駆除」と「保護」の二者択一なのか?

世界ではどういう施策があるのか?

日本では?

 

意見をだしたり、質問したり。

その後、地元の漁師さん(写真左)のもとへ。

 

網にかかる魚を狙うトドと「知恵比べ」になるそうです。どのような知恵比べなのか教えていただきました。

 

「網が破られて大きな損害がでることもある。でも、我々だってやみくもに駆除したいとは思っていない」と仰っていました。

今回は、トドの生態を学び、トドを間近で見て、はく製や骨を観察させて頂きました。

また、野生生物とどう折り合いをつけていくのか考えるきっかけになりました。

水族館の角川先生・スタッフの皆さん、酪農学園大の郡山先生・学生の皆さん、漁師の長谷川さん、ありがとうございました。

講座終了後、

 

ゆっくりと水族館を楽しんで帰る生徒もおりました。(写真はチンアナゴ)

 

 

■生徒の感想、事後アンケートは後日掲載します。