令和5年度第9回入学式式辞
本日、新たに市立札幌開成中等教育学校の仲間入りをした第十二期生の皆さん、入学おめでとうございます。全ての在校生と教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。また、保護者の皆様におかれましては、お子様の本校への御入学、誠におめでとうございます。
この佳き日に、PT会会長でいらっしゃいます〇〇〇〇様、資友会会長でいらっしゃいます〇〇○○様の御臨席を賜り、入学式を行うことができますことに、心より感謝を申し上げます。
さて、社会の在り方が変化していく中で学び方も変わってきました。これまでの学びは、解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力が重視されてきましたが、これからは、答えのない問いにどのように向き合っていくかということが大切になってきています。新入生の皆さんは、これから本校での六年間の学びが始まりますが、このことを踏まえ、入学にあたり三つのことについてお話ししたいと思います。
一つ目です。開成中等教育学校での学びの主役は生徒の皆さんです。先生方はそんな皆さんの背中を押して応援しますので、いろいろなことに積極的に挑戦してほしいと思います。時にはうまくいかなかったり失敗したりするかもしれませんし、失敗したらどうしよう、とやる前からしり込みしてしまうかもしれません。失敗は大いに結構、たくさん失敗をしてください。大切なことは、失敗したらそこから学ぶということです。WBC日本代表の栗山英樹監督は、ファイターズの監督時代に「勝ちは一を教えてくれ、負けは九十九を教えてくれる」と話していました。失敗を恐れず、いろんなことにチャレンジをしてください。
二つ目です。本校では探究することを大切にしています。これまで皆さんは「なぜ?」と思ったことがたくさんあると思います。そう思ったとき、どうしていましたか。本校では、自分が興味をもった内容に対して、じっくり向き合ったり、友達と話し合ったりしながら、その「なぜ」を解決していきます。大切なのは、自分で、どのような課題に挑戦し、どう取り組んでいくかということを決め、その課題の解決に必要な学ぶ力を身に付けることです。
三つ目です。ステージ正面に向かって左側に、開成の学校教育目標「わたし アナタ min-na そのすがたがうれしい」が掲げられています。「わたし」はひらがな、「アナタ」はカタカナ、「min-na」はローマ字です。自分と違う存在を受け入れながら、これまでと異なる考え方に調整や折り合いをつけて理解をし受け入れていくことが大切であるという思いが込められています。皆さんがこれから学ぶフィールドは、学校や地域、日本の中だけではなく、世界も含まれています。いろいろな人たちとの交流や議論などから、様々な文化や考え方に触れ、その中で自分はどう在るべきかを考えてほしいと思います。
改めまして、保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。本校は、国際標準の教育プログラムである国際バカロレアIB、先進的な理数教育や国際性を育む取組を行うスーパーサイエンスハイスクールSSH、本物の体験を通して物事を自分ごと化し主体性を育む本校独自の教育理念SELFの三つを柱として、「自ら疑問や課題をもち、主体的に解決する学習」である課題探究的な学習を推進しています。在学中、子どもたちは様々ことを経験します。先ほども申しましたように、失敗もたくさんすると思います。どうぞ、温かくお子様を見守っていただき、私たちとともにその背中を支えていただければと思います。
また、本校では、私たち教職員も学習者として研鑽に努め、お子様の六年間の成長に資するよう努力を重ねてまいりたいと考えております。保護者の皆様におかれましても、是非、私たちと一緒に学びを楽しみながら、お子様が安心して六年間じっくりと課題探究的な学習に向き合うことができる環境づくりに御理解と御協力、御支援をお願い申し上げます。
結びになりますが、新入生の皆さんの、これから始まる本校での学校生活が、未来を切り拓く充実した六年間になることを願い、入学式の式辞といたします。
令和五年四月十日
市立札幌開成中等教育学校 校長 宮田 佳幸