目的

ロボット、AI、GNSS、データサイエンスが農業に変革を起こしている。そこで今回は、最新のテクノロジーが拓く新しい農業について知り、農業の未来を体感する事を目的とする。また、高校生が社会で活躍する頃に起こっているかもしれない様々な技術革新が、産業にどのような変化をもたらすかも考えてみる。

参加生徒  数理データサイエンス科1年次(12名)+普通科1年次(1名)

日  時  2022年7月29日(金) 9:30~12:30

場  所  農研機構 北海道農業研究センター庁舎(市豊平区羊ケ丘1)

講  師  寒地野菜水田作研究領域 上級研究員 齋藤正博 様

内容・時程 9:20 北海道農業研究センター 本庁近くに集合

      9:30~12:30 [講 義]AI、GNSSなどの農業への利活用について

             [実 演]自動操舵トラクタ、ロボット田植機

事前事後学習 事前学習:7月21日(木)(校内で放課後に1時間程度)

       事後学習:夏季休業中  (研修で出された課題についてレポート、および、事後アンケート)

 
 

 【事前学習 7月21日(木・放課後)】

 

 

班ごとに「稲作」について調べています。

   
 

 

4つ班で稲作の手順を調べて発表しました。

稲作の予備知識を得た上で研修に行きます。

 【講座当日  7月29日(金/夏休み期間中)】

 

 

農研機構北海道農業研究センター庁舎にて、寒地野菜水田作研究領域・齋藤正博さんによる「AI、GNSSなどの農業への利活用について」の講義です。

 
 
  まず、日本の農業の現状について学びました。その課題解決の方法の一つが「スマート農業」です。
  GNSS(GPSとほぼ同じ)の性能について解説を受けています。 最新機器はここまで小型化し、誘導精度も5cmまで達し、価格も数万円程度。10年前の1/100の価格です。

 

10年前のGPS。数百万円しました。高級車が買える価格です。

 
 

 ロボット田植機は、田んぼの3辺を人の手で運行すれば、最適な田植え経路を計算しGNSSを活用し自動で田植えをします。

さて、この台形の田んぼ。田植えの最適経路はどのようなルートでしょうか。苗を補給する場所も決まっています。

 

 ロボット田植機はどんなルートで植えるのか、班ごとに予想して発表しました。

 

その後、実際の植え付けの映像を見せて頂きました。

農場へ出て、自動操舵トラクタ、ロボット田植機を実際に見ます。

自動操舵トラクタに乗せて頂きました!

人が操縦せずに、まっすぐに耕うんしてくれています。

ロボット田植機にも乗せて頂きました!!

実際の田植えはしませんでしたが、完全な無人運転を体験しました。

農業機械に乗ること自体が初めての生徒もいました。土のにおい、機械音、機械の振動、自動運転。いろいろなことを五感で体験しました。

農業で生かされているIT技術を、体感的に学ぶことが出来た研修となりました。

 

北海道農業研究センターの皆さま、本当にありがとうございました。

 
 
<事後アンケート(回答10人)>
 
<生徒の感想>
◆普段の学校ではできない体験、経験ができたて楽しかった。日本の農業の糸口になるスマート農業を少しでも知ることができたのが良かった。今回参加するきっかけになったのは私が好きな小説「下町ロケット・ガウディ計画」で主人公たちの会社がスマート農業についての機械を制作する、という内容でして、それで興味を持って参加させていただきました。
 
◆農業と最新テクノロジーとの関係についての理解を深めることができた。スマート農業で、農家の方々の負担が軽減されていくことを知り、自分でも将来役に立つものを作ってみたいなと思った。また、自動のトラクタや田植え機に乗ってみて、どのような技術によって作業が行われているか、効率化されているかなどを学ぶことができた。
 
◆これまであまり農業に興味はなかったのですが、現代の農業の深刻さや機械によって効率的になることなどを考えると、興味が湧いてきました。
 
◆今の日本の農業の実態を知ることが出来たと思う。自分が思っていたよりも人工知能やAIなどが使われていたし、それらが思っていたよりも発達していた。それに驚いた。
 
◆今回は、自分で考えてみたり、実際に機械に触れてわかったこともあり、良い経験になったと思った。もっと最新テクノロジーについて知りたい。